脊椎とは、いわゆる背骨のことで、脊椎全体は20〜30個の骨(椎骨)で構成され、頭蓋骨の真下から順に、頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨という5つの区分に分かれます。
脊椎には主に3つの大切な役割があります。
正常な脊椎は真っ直ぐではなく、ゆるやかなS字カーブを描いています(生理的彎曲)。成長するにつれて、頸椎は前へ、胸椎は後ろへ、腰椎は前へ、というように弓形に曲がるのです。脊椎がS字状になっていることで、体をバランスよく支えたり、体を曲げる・ひねる・伸ばすといった運動を可能にしたり、運動時の衝撃や筋肉への負担を軽減できたりします。また、脊椎の中には脊柱管という空洞部分があり、この中を走る脊髄(神経)を保護する役割を担っています。
椎骨に、骨折・変形・変性・腫瘍などが生じると、痛み、しびれ、麻痺など様々な症状を引き起こします。これは神経が圧迫されたり傷つけられたりすることが原因の場合が多いと言えます。例えば、腰痛の原因として多い椎間板ヘルニアの場合は、椎骨の間でクッションの役割をしている椎間板が押しつぶされて一部が飛び出してしまい、これが神経を圧迫します。ひどい場合は立っていられないほどの激痛を感じることもあります。
脊椎疾患の手術は神経障害のリスクを伴います。当院では、手術のリスクとメリットを十分ご説明したうえで、対象となる神経を安全かつ確実に圧迫病変から解放する手術を心がけております。また、術後の肩こり・腰痛・筋肉痛などをなるべく抑えることができる低侵襲な方法を採用しております。詳しくはこちらをご覧ください。